有馬記念
舞台は中山2500m。
特徴は直線が約300mと短い(2歳G1が行われた阪神外回りは約400m)こと、ゴール前に急坂があること、コーナーが6つあり急であること(小回りより)。
これらを踏まえると、直線の末脚勝負は不利(直線距離が短く加速しきれない、最後に急坂があるためスピードが殺される)です。
近走、東京や阪神外回りでド派手な競馬をしている馬は、慎重に検討したうえでアリかナシかを決めましょう。
もちろん強ければアリ、です。
さて上記のような特徴的なコース形態が故に、このコースを得意としている馬も多くリピーターが多いです。
過去10年を振り返ると……
【トゥザグローリー】2011,2010年 共に3着
【オルフェーヴル】2013,2011年 共に1着
【ゴールドシップ】2014,2013年 共に3着 2012年1着
【ゴールドアクター】2016年3着、2015年1着
【キタサンブラック】2017年1着、2016年2着、2015年3着
【シュヴァルグラン】2018,2017年 共に3着
錚々たる面子……(;^_^A
今年は昨年の覇者【クロノジェネシス】が参戦しているので、彼女には要注目しておくべきでしょう。
出走予定馬
ここからは出走予定の全16頭を、筆者の見解を踏まえ解説していきます。
アカイイト
前走のエリザベス女王杯ではG1初挑戦ながら勝利を飾る。
それまでのレースでは後方から末脚を伸ばす競馬をしていたが、エリザベスでは3~4角でギアを上げて捲り、そのまま押し切った。幸騎手の超ファイン騎乗。
キズナ産駒は上がりのかかる競馬に適しており、この馬が勝ったエリザベス女王杯もキズナ産駒のワンツーフィニッシュであった。有馬記念もコース的に上がりがかかるので、この馬にはもってこいの舞台。
脚質、血統から舞台適性は高いのでここは大きく狙うべき。むしろ人気が無いようなら絶対に買っておくべき1頭だ。
アサマノイタズラ
中山の成績は(2,1,1,2)。直近では3歳限定のG2セントライト記念を勝っている。ここは素直に抑えておいた方が無難。
ただ重賞では、3~4角で自分から動き、前に行くスピードが足りなさそう(セントライト記念は後方一気、皐月賞は先行で凡走)なので、展開の助けが必要になるかも。
点数を絞りたいのであれば切っても良いかもしれない。
アリストテレス
2020年菊花賞2着馬。【コントレイル】との叩き合いでは能力を感じさせられた。
ただ近走はパッとしない成績。今年に入りAJCCこそ勝つも、それ以降のG1では天皇賞春4着→宝塚記念9着→JC9着と見せ場を作れていない。それぞれ適性が異なるレースだけに、3歳時のような輝きを取り戻すことは難しいか。
ねっしー的にもエピファネイア産駒の成長力に疑問を抱いているので、ここは消しておいて良いかも。
ウインキートス
近5走で『負け→勝ち→負け→勝ち→負け』ときているので、〇×を信じるのなら買った方が良い。
個人的にはベストパフォーマンスが2021年の目黒記念勝利だと思っており、中山2500mの舞台には合っていないので消し。
瞬発力勝負の舞台(東京や阪神外回り)に出てきたときに厚く買いたい。
エフフォーリア
改めて説明するまでもなく強い馬。
3歳で天皇賞秋を制した馬は4頭しかいない。しかも相手が【グランアレグリア】と【コントレイル】だ。強かったの一言で良い。
一応、すこぉしだけ気になるのは、この舞台よりも東京の方が合っているのでは? と。つまりコーナーで加速するより直線で加速する方がこの馬に合っているということ。
些末なことかもしれないが、人気馬を買いたくない反骨精神から導き出した。
皆は俺を反面教師にしてくれ。
キセキ
2017年菊花賞馬。翌年は天皇賞秋3着、JC2着と健闘。その後のG1でも、勝ちはしないが安定した成績を残していた。
しかし、今年の成績からはさすがに衰えを……。
この馬は瞬発力に欠けているので、前走のような思い切った競馬はプラス。前に行ってどれだけ残せるか。今回もこれに尽きる。
ただ、近走を観ているとズブさ(押しても反応が鈍い)をみせているのが気がかり。
理想は勝負所で捲ってそのまま押し切る……未来がみえねぇ。
引退レースなので応援はするが、馬券は切り。
記念に単勝100円買うか。
クロノジェネシス
前年の覇者でグランプリ3連覇中。
まさにグランプリの申し子。
また今話題になっているのが同世代のクラシック馬たち、桜花賞馬【グランアレグリア】、オークス馬【ラヴズオンリーユー】がそれぞれ有終の美を飾っているということ。この馬もそれに続く可能性は十二分にある。
グランプリ3連覇中ということはグランプリのコース形態に強いということ。父バゴはスピード瞬発力決着だけでなく、パワーもその子に遺伝させる。中山の急坂はこの馬にとってプラスだ。
今年は3戦全てがG1で、内2戦が海外。その成績は2着、1着、7着と決して悪くない。むしろ凱旋門賞以外は素晴らしい成績だ。
舞台適性は言うまでもなくバッチリ。凱旋門賞の疲労が気になるが、ここは負けられない。
実は昨年の秋華賞から成績が〇×なのもポイントかも。今回は〇になるはず……。
シャドウディーヴァ
前々走の府中牝馬Sのような競馬をしたいが、今回の中山ではできない。ジャイアントキリングの可能性は前走のJCの方が高かったと思うので消しで。
東京の16や18で良績を残しているので、そこに出てきたときには必ず抑えておきたい1頭だ。
ステラヴェローチェ
今年の3歳牡馬クラシックを賑わした馬。
父バゴは【クロノジェネシス】と同じ。クラシックで通用するスピードと不良馬場をこなすパワーを備えている点は非常に似ている。
前走の菊花賞では4角手前でポジションを上げたが、最後はスタミナ切れ。しかし、ポジションを上げ見せ場を作った経験は、今回の有馬記念に生かせそう。
MデムーロJの手綱さばき次第では上位陣を喰う可能性も十分あり得る。
タイトルホルダー
記憶に新しい競馬を魅せてくれた菊花賞は、なんとねっしーの本命。マイペースに持ち込めば非常に強い馬と認識させられたレースだった。
まいりました。
ちなみに皐月賞も2着。阪神3000mを走るスタミナに中山2000mをこなすスピードは有馬記念に適していると言える。
脚質は先行型で勝負所でペースが上がったときにどう対応するのかがポイント。しかしそれも上の通り、皐月を乗り切ったスピードがあるので大丈夫だと思う。
気になるのは菊花賞を勝ったときの横山武Jのコメント。
『この馬は真面目過ぎるところが長所でもあり欠点でもあると思うので、それを上手く使い分ける競馬をしていけるように……』
要約すれば乗り難しい馬だということ。
今回が初騎乗となる横山和Jが力を発揮させられるのかがポイントになるだろう。
現時点の予想では2番手からなんやかんやするんじゃないかぁ……と思てる。
ディープボンド
こちらは今年の阪神大賞典の勝利から、そのスタミナを開花させた。次走の天皇賞春でも2着と好走し、秋はフランスへ遠征。凱旋門賞の前哨戦となるフォワ賞を鮮やかに逃げ切った。本番は惨敗だったが、海外での勝利は自信をもたらしてくれたことだろう。
ただ、上記のようにスタミナは文句ないが、スピードに疑問を抱く。有馬記念では直線が短い分、その手前のコーナーで加速する。コーナーで差をつけろ! というやつだ。筆者はその加速についていけないのではないかと心配している。
なので、それをカバーするためにも大逃げは1つの選択肢だが果たして。鞍上の和田Jの手腕に期待。
パンサラッサ
十中八九ペースを握る逃げ馬。
前走の福島記念ではハイペースで飛ばし、そのまま逃げ切った。この競馬をされたら後続はなすすべなし。有馬記念でも同じことができれば勝てるが、2500mという距離や最後の急坂がそれを拒んでくるだろう。
母系で欧州の血が濃いので雨は歓迎か。
馬場が悪くなり、ノーマークの一人旅ならワンチャンスあるかも……ないかも。
ペルシアンナイト
3歳時にマイルCSを勝った実力馬。他にも皐月賞や古馬になってからは大阪杯や再びマイルCSで好走を重ねている。近走は中距離寄りのローテーションにシフトしており、前走は朝日CC(阪神2000m)を3着と、それなりの成績を残している。
昨年の有馬記念は7着だった。3~4角でスムーズに上がれていれば4着はあったかもしれない。ただ、それでも4着だ。
3着以内にくるためには馬場の助けと鞍上の導きに大きく懸っている。
現時点で前日が雨予報なので、ハービンジャー産駒であるこの馬は、もしかすると波乱を呼び起こすかも。
メロディーレーン
前走出走時の体重が354kgと競走馬の中では非常に小さい馬。
その体格が度々話題に挙がっているが、今回は【タイトルホルダー】との兄弟参戦も盛り上がりに拍車をかけている。是非とも兄弟ワンツーフィニッシュを観てみたい。
前走は阪神3000mを先行抜け出しで見事に勝利。さすがはスタミナ血統といったところか。
父はオルフェーヴルでステイゴールドの一族であるが、この馬の産駒は他の一族より瞬発力に秀でている。故に今回の中山2500mは不安だ。
また前走は3勝クラス。格がG1に一気に上がることもこの馬にとっては厳しいか。
応援するには良いが、馬券的には切るのが正解だろう。
モズベッロ
2021年大阪杯2着、2020年宝塚記念3着と影の実力者(?)。
両レースに共通するのは馬場が悪かったということ。今回の有馬記念も雨が降る、もしくは前日の雨で馬場が渋ればチャンスはある。日経賞で2着の経験もあるのでコースも問題ない。本当に馬場次第。大荒れでなければ消し。
ユーキャンスマイル
阪神大賞典に強い馬。なので来年出てきたときには購入したい。
近走はG1で大敗が続いている。ピークは2018~2019年だったか。そのときに出ていればチャンスはあったかもしれない。今のこの馬の状態で上位争いは厳しいと思う。
次回のブログで印を公開するので、そちらも見ていってください。
それではここで終了とさせていただきます。
有馬は必ず当てたい(る?)ので、必ず俺のブログをチェックするように!